【 想いの連鎖 @ 】



 

「「「 ・・・・・? 」」」



偶然なのか必然なのか。
同じ時間にそれぞれの部屋で、の3人は首を傾げながら机の上を見ていた。
買った覚えもそこに置いた覚えもない、だがどこかで見た事のある気がする。



その机の上にあったのは、



『 砂 時 計 』



何かに背中を押されるように、そっとその砂時計を手にする。

そして、何かに動かされるように、

それを3人同時にひっくり返した。

その途端に、砂時計から光が溢れ出し、



「「「 っ!? 」」」



3人は声も出せないままその光に包まれ・・・消えた。










真っ暗闇の中、ボウッと淡く光る3つの砂時計。
それを握ったまま気を失っている、

最初に気が付いたのは、だった。



「んっ・・・ここ・・・何?」



真っ暗闇の中、身動きが取れない。

とりあえず、砂時計をポケットの中へ隠し目を慣らす。
すると、他にも淡い光がある事に気付き、よく見ると・・・

・・・?・・・?」

倒れている2人を揺り起こす。

!」

「んっ・・・その声は?何でがここに・・・・・えっ?な、何!?」

目を閉じても開けても闇の世界に、一瞬パニックを起こしかける。
その横では、同じように目を覚ました美里が、何も声が出せず固まっていた。

「落ち着いて、。大丈夫・・・周りが暗すぎて見えてないだけ。」

そこへ、優しく言い聞かせるようにの声が響く。

・・・うん、大丈夫、ありがと。目も慣れてきたみたい。」

の言葉にも頷きながら、

さん、ありがとうございます。それで・・・ここは?」
「分からない・・・私も気が付いたらこれを握ってここに倒れてた。」

ポケットの中から砂時計を取り出す。あまりにも淡い光は砂時計だけを見せ、それ以外の物へは届かない。

「その砂時計・・・」
「私の部屋にも・・・」

3人の手の中には、同じ砂時計。

「これ・・・見覚えあるんですけど・・・」

の言葉に大きく頷く

「でもさ、これって3つもあっちゃおかしくない?」
「基本的にはありえないよね。」

の言葉に頷きながら、砂時計から目の前の2人に視線を向けたの目が驚きに見開かれる。

さん!さん!」

ちゃん?・・・どうしたの?」

首を傾げながらが尋ねると、

「2人とも・・・身体が・・・」

「身体?」

!あっ・・・ちゃんも・・・」

「・・・若返ってる・・・?」

をじっと見つめた。

この3人の中では最年長だが、かなりの童顔な為そうは見えない。
見えないのだが、それでも三十路はとうに過ぎている。
だが、そこにいるはどう見ても十代にしか見えない。
もちろん、もどう見ても十代の少女だ。

「このまま、ここにいるのって・・・」

「かなりヤバいんじゃあ・・・」

「ど、どうしたら・・・」





『何をしているのです』





「「「 えっ!? 」」」





『早くその砂時計をひっくり返しなさい』





「・・・これを・・・ひっくり返す・・・」

「大丈夫なのかな・・・」

「って言うか、今の誰!?」





『早く!』





「どうします?」

「このままここに居ても、危なそうだし・・・」

「ひっくり返してみようか。」





3人は頷きあい、その砂時計をひっくり返した。

その途端、砂時計から光が溢れ出し、3人を包み込んで・・・消えた。