【 偶然と必然の狭間 E 】





そして、が現れてから3年後。

目の前で繰り広げられている光景に、呆然としているの姿があった。





望美を白龍が助け、その白龍をまた望美が庇う。

力尽きそうになっている望美を助けるべく、朔が声を掛け、

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「この望美ちゃんは、1周目だ・・・」

無意識に出た声に、自分で驚く
今の状態で、冷静な自分もどこかにいる事に、少し安心する。
そして自分の服装を見、手に握られている弓に気付く。

「これが私の武器・・・私も戦えるんだ・・・」

の表情が、スッと何かを決意したものへと変る。

「白龍!」
!・・・も一緒に戦える。その力がある・・・」
「あなたは・・・」
「詳しい説明は後。今は目の前の怨霊に集中しましょう。」
「ええ、その通りだわ。行きましょう、一緒に!」





倒しても復活する怨霊を、朔と望美が力を合わせて封印した。





初めての封印。





今が間違いなく1周目だと確信する
それと同時に、ここが『遙かなる時空の中で3』の世界だという事も。
先程の怨霊との戦いで傷ついた身体が、これが夢ではない事を教える。

「それで、あなたの名前は?」
「えっ!?」

が考え込んでいた間に、望美達は自己紹介を済ませていたようだ。

「私は・・・・・っ!白龍!さんとさんは!?」

何かを感じ取るように上を向いた白龍が、ゆっくりと首を横に振る。

「2人とも ここには いない。」
「そんな・・・」
「でも、2人とも いる。」
「・・・どういう事?」
「遠くに 2人の気を感じる。」
さんとさんに間違いないの?」
「あの2人の気は 特殊だから 間違えない。」
「そっか・・・2人とも一緒?」
「ううん 別々。」





「ここは危ないわ、話は後にして今は先を急ぎましょう。」

朔の言葉に、ここが何処か思い出し、

「ごめんなさいっ!(早く合流しないと・・・)」

が口の中で呟いた言葉に首を傾げながらも、4人は宇治橋跡を出た。










橋姫神社へと向かう途中、怨霊に囲まれたところに譲が助けに入る。










怨霊達を倒し、一息ついた譲がに気付く。

「君は確かあの時・・・」
「譲くん、ちゃんを知ってるの!?」

望美の問い掛けに、譲は首を傾げながら、

「先輩は気付きませんでした?その子供の後ろに3人の女の子が・・・」



「女の子・・・」



思わず、その部分に反応したに、白龍を除く3人が首を傾げる。

・・・女の子じゃなかったの?」
「えっ!?ちゃん男の子だったの!?」
「それとも、他の2人が・・・」

「ちっが〜う!!!」

   3人とも女の人だったよ。」

上手く説明も出来ないし、時間もないのでそのまま進行する。

「時空の狭間に落ちて 狭間から抜けてきた。」

白龍の『時空の狭間』という言葉に、ビクッと反応する

「ここは時だけでなく 場所だけでなく 時空と違う京。」

『時空が違う』という事に焦る譲と望美だが、それに対し白龍は頷くだけ。



そして・・・



「神子が居た世界と が居た世界も また違う。」



「「 えぇ!? 」」



驚いたのは、当然譲と望美だけ。

さんは知ってたんですか?」
「うん・・・」

何と答えていいのか分からず、頷く事しか出来ないに、

「でもここは、ちゃんにとっても別の世界なのよね?」
「それは間違いなく、そう。」
「それなら私達は同じだわ。来たんだから帰る方法だってあるよ。」

望美の言葉に、とりあえず曖昧に頷く
何故ならば、狭間から狭間へと渡っている以上、決して同じではないからだ。










その後、橋姫神社で九郎、弁慶と合流する。

遅れた朔を怒る九郎。

それに対し怒る望美。

その場を鎮める弁慶。

そして、それぞれ自己紹介(?)



その一部始終をは、少し離れた場所から見ていた。

(うわ〜本物だ〜動いてる〜喋ってる〜九郎さん偉そう〜)

と、思っていたかどうかは、に確認するしかない。










いずれがこう呼ばれるようななる事は、今は誰も知らない。



『源氏の姫』と・・・